PROJECT STORY 02 楽しみながら努力を続ければ、未来はどのようにでも切り拓いていくことができる IGSC(いすゞグローバルサービスコーポレーション) 片山 淳

いすゞ自動車は2015年、IGSCという名のアフターセールス支援会社を設立。世界市場におけるいすゞの製品の整備技術レベルを高めることを最終目的とした大型プロジェクトを開始した。当面の支援先はフィリピン国内のいすゞ系ディーラー。将来的には中近東、インドシナ半島へと順次拡大していく計画だ。
整備士としての技量が、いすゞ自動車最上ランクのSクラスに認められる片山は、その高い整備スキルが評価され、プロジェクト推進のためトレーナーに就任。日本の整備技術を世界に伝えるべくフィリピンに赴任し、日々奮闘する。
トラック整備は楽しいと語る片山だが、どのようにしてSクラスにまで登り詰めたのか。そして片山の思う、この仕事のやり甲斐とは。

IGSCのプロジェクトに参加、フィリピンで整備士の育成にあたる

いすゞは2015年、世界各国にあるいすゞのディーラーのアフターセールスサポートのためのプロジェクトを始動するために、IGSC(いすゞグローバルサービスコーポレーション)を設立しました。

先立ってプロジェクトが開始された国がフィリピンです。具体的には、現地の整備士を採用、いすゞ製品を整備するための技術を上げる実習を行い、整備士を育成しています。

このプロジェクトに参加するため、私は2015年の8月にフィリピンに移りました。日本から派遣されているトレーナーは、私を含め3名です。

プロジェクトは順調に進行中、さらなる展開を目指す

第1期生として2015年11月に8名が入社して、2016年8月1日には、私たちが目標とするところまで教えることができたので、現場実習という形で、フィリピン国内のディーラーに働きに出ています。第2期生は7名が入社し、整備の実習を続けています。

実習を終えた整備士の支援先がどこになるのか、少し不安もありましたが、フィリピン国内の某ディーラーから、「7名全員来てもらいたい」というオファーもあったようで、このプロジェクトが現地ディーラーから期待されているんだと実感することができました。

このプロジェクトの狙いは、世界中のいすゞ製品の整備技術レベルを高めることにあり、今後地域を拡大していく予定です。研修を終えた社員にはグローバルに活躍することが期待されています。

日本とフィリピンとの違い

赴任して最初に感じたのは、フィリピンで活躍するトラックは、日本で例えると、ちょうどバブルがはじけた頃の時代に似ているのかなということです。次にフィリピンのメカニックを見て驚いたのは安全靴も履かずに、Tシャツとジーパンで作業しているような状態で、身を守るための装備がまるでありません。さらに、こちらには車検制度も無く、車両の安全運行に対する意識がまだまだ低いことを痛感しています。改めて日本の車検制度の素晴らしさを感じもしました。

それからフィリピンには、アメリカからの影響でしょうが、仕事について、やればやるだけお金をもらえる、という捉え方をしている人が多いです。ですから、新しいことはどんどん覚えようとします。

文化が違う国でプロジェクトを進めることには、困難もある

ただ、フィリピンには「仕事は終身雇用」として考える人が少なく、給料が1円でも高ければ、明日にはそちらの会社に移るという感じです。正社員採用も少なく、つまり会社が労働者を大切に扱わない分、労働者も会社を大事に思っていないのですね。

そこで我々が危惧しているのが、せっかく技術研修を行っても、すぐに私たちの元を離れていってしまうのではないか?ということです。

私たちの願いは、いすゞのメカニックとして、フィリピンでのいすゞ販売車の整備レベルを上げて欲しいということです。もしIGSCを去っても、いすゞの傘下で働いてくれれば良いのですが、他のメーカーへ行ってしまうと、さすがに厳しいですね。
こういった話については、みんなに毎日少しずつ説明するようにしていて、そうしていれば必ず伝わるものと信じています。

トラック整備の仕事は楽しい

現在私はトレーナーの仕事に就いていますが、それまではトラックの整備士をしてきました。今教えている整備士たちにもよく言うのですが、トラックの整備はとても楽しいものです。それから、トラックと普通乗用車の整備は全く違うものだとも思っています。

トラックと乗用車では、何といっても走行距離が違います。大きいトラックだと、生涯で100万キロ以上走ったりします。年間で10万キロ以上走るような車もあります。これは乗用車ではまずあり得ない数字です。

またトラックの整備では、機械的な整備はもちろんのこと、溶接の作業があったり、木の加工の作業があったり、電気的知識も必要だったりと、さまざまな知識や技術を組み合わせることになるので、乗用車より確実に濃い整備メカニックの経験ができます。だから、トラックって面白いんです。トラックの整備は奥が深いから楽しい。

できないことに挑戦すると、仕事がどんどん楽しくなる

トラックは、ただの機械ではあるものの、整備のスキルが上がるとお医者さんのように会話ができるようになるんです。故障したトラックに整備を通じて、「どこが痛い?どこが悪い?」と話しかけると、「ここが痛いんです…」と教えてくれます。トラックとの対話は、テスターを使ったり、パソコン診断をしたりと方法はいろいろありますが、経験で故障箇所が分かるようにもなります。

どうすればトラックと会話できるまでスキルを高めることができるのか?それは、自分には手に負えそうもないと思った故障であっても、頼まれた仕事は断らずに挑み続けることです。分からないことを調べたり、悩んだりしているうちに、ひとつ出来ることが増え、そうすると満足感が得られ、また新たな挑戦がしたくなる。そうやって、好循環が生まれるんですね。

修理の技量が上がっていく過程には、誰も達成できないハイスコアを自分が塗り替え、そのスコアをさらにまた自分が塗り替えるというような、一種のゲームのような楽しさがあります。それにのめり込むと、知らず知らずのうちに整備士として成長していくことができると思います。

人よりも少し努力をしていれば、いずれ1番になれるかもしれない

いすゞには検定制度があり、S級がその最高ランクです。S級は難しく、私は2010年2011年2013年と3回挑戦して、認定を得ることができました。結局のところ、人は順位にこだわらなければ、どこかで高みを目指すことを諦めてしまうものなのではないかと思います。人よりもちょっと頑張れば、順位が上がるかもしれなくて、それを続ければ、一番上にいけるかもしれない。順位に対するこだわりが、私を成長させてきたのだと思います。

この仕事のやり甲斐

トラックは物を運ぶだけの機械ですが、その先には荷物を待っている人がいて、もし故障で停まってしまうと、待っている人を困らせることになります。いすゞは「運ぶを支える」と言う企業理念を掲げていますが、私は整備士として働き始め、この企業理念に強く共感するようになりました。

私たちが食べている物、着ている物、あらゆる物をトラックが運んでいます。トラックを止めないことで、みんなの生活が成り立ちます。トラックの整備はそういう大切な役割を一旦として担っているのです。

この仕事のもう1つの魅力は、たくさんの感謝をもらえる仕事だということです。夜中に緊急でトラックを修理に行った際には、「兄ちゃん来てくれて良かったわ。これで荷物運べるわ。」と喜ばれます。目の前で困っている人を助けることが多い仕事です。正確に修理すれば修理するほど感謝される。その感謝の言葉も、私のやり甲斐かもしれません。

就職を考えるみなさんに一言

体力が無いと、メカニックとしては辛いかもしれません。大変な仕事です。でもやり甲斐はすごくあります。
1年目からすぐにできるわけではありませんが、経験を積めば、いろいろ楽しい仕事をすることができます。いすゞ自動車には、スキルアップのための手厚い支援体制があります。
次はあなたたちが活躍する番です。是非いすゞで働いて、いすゞのメカニックとしてスキルアップして、これからの日本の物流を支えてください。